OTO ZONE

Oto’s Mail

新たなスタート

4月1日。 これほど新たな気持で一日の始まりを迎えたのは、本当にひさしぶりのこと。 おかげさまで、昨日3月31日をもちまして、3年間にわたる小学校教員としての生活が終わりました。 教育現場という、まったく未知の世界に飛び込んだこの3年間は、僕にとって始めて体験することばかり。 戸惑うこと、失敗することも多くありましたが、まわりで支えてくださった教職員の方々や保護者の皆様、 そして何より素直でやさしい気持ちをもった子どもたちのおかげで、何とか乗り切ることができました。 いつもながら、人の縁に恵まれているなあと感謝の気持ちでいっぱいです。 日々、愛情をいっぱいに注いできた4年2組のみんなも、今日から5年生だね。 少しさみしい気持ちもするけど、先生はみんなの新しい道を心から応援しているからね! …って、もう「先生」じゃないんだった。。。 やっぱり、さみしいなあ。 新宿区「子どもの生き方パートナー」。 杉並区立杉並第四小学校教諭。 合わせて、5年間にもわたって教育現場で活動させていただく機会に恵まれました。 今後は、そこで得た経験や考えを少しずつ伝えていく活動などもしていけたらと考えています。 もちろん、ブログのほうも少しずつ更新していきますよ! 教員をやっている間は、あまりの忙しさに、ほとんど更新することができなかったので…。 それでは、今後とも乙武洋匡ならびに「OTO-ZONE」をどうぞよろしくお願いします!


松井選手からの手紙

いじめを苦にした子どもの自殺が、連日、報道されている。 そんななか、一通の手紙が産経新聞に掲載された。 ヤンキース・松井秀喜選手から寄せられたものだ。 「あなたの周りには、あなたを心底愛している人がたくさんいる」 彼のあたたかなメッセージに触れ、僕は思わず涙ぐんだ。 いま、教育界にはかなりの逆風が吹いている。 いじめの問題や、履修漏れ問題。さらには教育基本法改正。 その視線には、いままでにない厳しさがある。 もちろん、教育現場があらためなければいけない点も多々あるだろう。 第三者的な視点から批評を仰ぎ、改善すべき点はしなくてはならない。 でも、いま本当に必要なのは「犯人探し」などではなく、 それぞれの立場で何ができるか、を考えることではないだろうか。 親として、 教員として、 地域に生きる大人として、 「自分は、子どもたちのために何ができるだろう」 そのことを考え、実行する。 ただ批判をし、責任の押し付け合いをするだけでは、 亡くなった子どもたちが浮かばれないと、僕は思う。 だから、松井選手のメッセージがうれしかった。 あれだけのスーパースターが、海を越えて子どもたちのことを思い、 アクションを起こしてくださった。 ありがとう。ありがとう。 僕も、いま一度、自分に何ができるのかを見つめ、 子どもたちのためにできることを探していきたい。


いたずらもみじ

週末は、柔道の全日本実業団体対抗大会を取材するため、札幌へ。 もちろん、お目当ては右大胸筋けん断裂の重傷から 1年5カ月ぶりの復帰戦となった井上康生選手。 結果は、出場した3試合すべてに一本勝ち! 技のキレも申し分なく、シドニー五輪以来、6年近く彼の取材を 続けている僕にとっても、記憶に残る大会となりました。 さて、よろこびをかみしめながら帰ってきた機中、僕の隣りには 一歳くらいの男の子を連れたお母さんが座っていました。 この子が、かわいいのなんのって……。 くりくりのお目々で、じーっと見つめられたら、もうイチコロ! お母さんのひざで抱えられながらも、いたずらが止まらないチビッコ。 飛行機が離陸したあとも、袋から取り出したおもちゃを振り回したり、 食事用の小さなテーブルが収納されているフタを、飽きもせず、 何度も繰り返し開け閉めしたり。 はじめは「もう、この“いたずらもみじ”が!」と、軽くたしなめる程度だった お母さんも、いつまでも止まないいたずらに、ほとほと困惑顔。 哺乳ビンに入ったミルクは離陸前に飲み干してしまったし、 なだめてもすかしても、小さな“もみじ”は動きを止めません。 やっぱり、子どもを育てるって大変だなあ。 その様子をそばで見ながら、実感しました。 ふとしたいたずらで本人が怪我してもいけないし、 まわりの人に怪我をさせても、物を壊してもいけない。 だから、とにかく子どもから目を離すことができない。 でもね、今回、一時間半のフライトをともにして、ふと思ったんです。 もしかして、その気苦労の半分くらいは、 「まわりの人に申し訳ないから、いい子にしててね」 という気遣いだったりするのかなあと。 その子がガチャガチャと物音を立てるので、いつもは機内で爆睡の僕も、 さすがに眠ることができませんでした。 ときには、振り回したおもちゃが肩のあたりにぶつかることも。 そのたびに、「すいません、すいません」と謝るお母さん。 そのチビッコが「ギャーッ」と泣き出したときなど、 お母さんの心臓がビクッとなるのが聞こえてきそうほどでした。 「もう、お願いだから……」と、最後はわが子に懇願するようにしていた 彼女の姿に、何だか「申し訳ないなあ」と思ったんです。 え、誰に申し訳ないかって? まだ分別のつかない、小さな子どもたちに。 公共の場では、周囲の迷惑にならないように――。 これは、社会人として当たり前のルール。 だから、お母さんも、子どもが騒ぐたびに肩身のせまい思いをした。 お騒がせしてスミマセン、と。 でも。 これって仕方がないことだと思いませんか? もしも幼稚園にあがったくらいの子どもが騒いでいたなら、 「みんながいる場所では静かにしなさい」というしつけも必要でしょう。 でも、まだ「ウー」とか「アー」しか口にしない一歳前後の赤ん坊。 「まわりの迷惑になるから」と言い聞かせたって、わかるはずがない。 結局、大人が我慢するか、子どもに我慢させるのか、という話だと 思うんです。それが、日本の社会では(ほかの国ではどうなんだろう?) 子どもに我慢をさせてきた。 大人が快適にすごすために、赤ん坊に過度なストレスを強いてきた。 正直なことを言えば、いままで電車やレストランで赤ん坊が騒げば、 「うるさいなあ」と思ったこともありました。でも、子どもたちにしてみれば 「そんなこと言われたって……」ですよねえ。 これからは、我慢、我慢。 我慢というか、その光景をほほえましいと思える大人になりたいな。 たとえ寝不足だとしても(笑)。 そのぶん、言い聞かせてわかる年齢には、厳しくいきますよ!?


職場復帰

7月末から続いていた明星大学でのスクーリング授業も、ようやく終了。3週間、住み続けた八王子のウィークリーマンションも引き払い、ぶじ我が家に戻ってきました。 なんか、祭りのあとのような淋しさを感じている自分がいます。 この3週間を迎えるまでは、「いまさら学生かあ……」なんて、ちょっぴり照れくさい気持ちもあったし、とにかく「苦痛な3週間を何とか乗り切ろう!」という思いしかなかったのが正直なところ。 それが、いざ大学へ通い始めると、やっぱり楽しいんですね。少しずつ友達ができて、一緒に勉強したり、ノートを貸し借りしたり、試験が終われば「打ち上げだぁ~!!」と飲みに行ったり。授業が終わってから車をカッ飛ばし、温泉まで行ったこともあったなあ。 学生時代はその大半が仕事に費やされてしまった僕にとっては、2度目の学生生活のほうが、より“青春してる”って感じがしました。 共に過ごした3週間が終わり、みんなそれぞれの生活に戻っていきました。ここ数年の、どんな夏の思い出より、ずっと胸の奥で輝き続けるんだろうなあ。 これから、僕がどういう形で教育とかかわっていくことになるのかは想像もつきません。でも、ひとりの教育者として、学校関係者として活動していくうえで、忘れてはならない“原点”を思い起こさせてもらった気がします。 学校は、楽しいところなんだ。 不登校は、年を追うごとに増加。いじめを原因とした自殺も、後を絶ちません。学校がつまらなければ、勉強への意欲も低下するでしょう。 だから、楽しい学校をつくりたい。具体的なイメージなんてまだ何もないけれど、子供たちが「学校に通うのが楽しくて仕方ない!」と思えるような、そんな学校をつくれたらいいなあ。 さて、3週間ずっと仕事を休んでしまっていましたが、ようやく現場復帰。月曜日は、平塚市にある東海大学で柔道・井上康生選手のインタビュー。火曜日は、聖路加国際病院名誉院長にして、93歳の現役医師・日野原重明氏と対談。そして本日から、新宿区「子供の生き方パートナー」としての活動も再開です。 休んでいた3週間分、山のように仕事が溜まってしまいましたが、何だか、いまの自分からは、あっさりと乗り越えていけそうなパワーを感じます。 Thank you, MEISEI Friends !!


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