OTO ZONE

Oto’s Mail

『1/6900000000』ができるまで③

昨日のブログの続き。 「誰もひとりじゃない」 FUNKISTとそんなメッセージを伝えようと、僕は曲を書き始めた。 書きあげた曲をはじめてメンバーに見せたのは、彼ら7人が Vocal・染谷西郷の母国である南アフリカツアーから帰国した直後。 銀座での打ち合わせから、2週間ほど経ったときのことだった。 大阪・梅田のポニーキャニオン会議室。 僕が書いた歌詞が印刷され、メンバー一人ひとりに配られる。 手渡されたA4サイズの紙を受け取り、無言で読み始める7人。 僕は、祈るような気持ちでその様子を見守っていた。 「すげえ」 沈黙を破ったのは、西郷だった。 「なんか、いま乙武さんが書いてくれたこの歌詞を読んで、 パッとジグソーパズルが頭に思い浮かんだんですよね。 みんな一人ひとり、形は違うけど、でもそのすべてが必要で。 それぞれ得意なこと、苦手なことは違うけど、みんなでつながって。 なんか、ジグソーパズルみたいだなって」 その言葉に、僕は目を丸くし、部屋のすみに座っていた 事務所スタッフと顔を見合わせた。 「西郷、あのね。俺がいつも講演会で必ず話すのが、そのことなんだ。 まさにジグソーパズルの例えを使って、『みんなちがって、みんないい』 って」 「えっ、ホントですか?いや、そんなことまったく知らなかったけど、 この歌詞を読んで、本当にジグソーパズルが頭に浮かんだんですよ」 やっぱり、ふたりが見ているのは、同じ景色だったんだ――。 僕は、全身に鳥肌が立つようなよろこびと興奮を覚えていた。 歌詞は決まった。あとは、この曲にタイトルをつけなければならない。 「たしか、前に乙武さんが話してくれましたよね。小学校で先生を やっていたとき、模造紙にデカデカと書いたメッセージを教室に 貼っていたって」 「ああ、『1/6800000000』というやつね。みんなは、この地球上に 68億人もいるうちの、たった一人でしかないけれど、その一人の 代わりを務められる人なんて誰もいない、一人ひとりがかけがえの ない存在なんだってことを伝えたくて」 「タイトル、それをそのまま持ってくるんじゃダメですかね? なんか、この曲のメッセージを伝えるのに、乙武さんが教室に 貼っていたその言葉をタイトルにするのが、いちばんいいんじゃないか と思って」 「じゃあ、あれから人口が増えているから、『69億人』に。 『1/6900000000』に、僕らのメッセージを託していこうか!」 他のメンバーも、口々に賛同してくれた。 こうして、僕らの友情と大切な想いが詰まった曲『1/6900000000』が 完成した。 ****************************************************** 本日2月2日(水)、僕が作詞&サブボーカルとして参加した FUNKISTとのコラボ曲『1/6900000000』を収録した FUNKISTのNewアルバム『Pieceful』が発売されます。 また、今夜、日本テレビ系『NEWS ZERO』(22:54~23:58)の 人気コーナー「ZERO CULTURE」にて、『1/6900000000』が 特集される予定です。 レコーディングの様子や先日出演した渋谷O-WESTでのライブ映像、 さらには染谷西郷×乙武洋匡がこの「1/6900000000」に込めた 想いをたっぷり語った独占インタビューなど、見どころが満載。 ウルトラ必見&完全保存版です!! ※放送日は、予告なく変更になることがあります。


『1/6900000000』ができるまで②

昨日のブログの続き。 「メッセージを伝える曲を一緒につくりたいんです」 電話口の向こうでそう言ってくれたFUNKIST・染谷西郷の言葉に、 僕は何の迷いもなくうなずいていた。 その2日後、銀座の喫茶店で待ち合わせた僕らは、 すぐに具体的な曲づくりの話に移った。 西郷「僕が先に曲をつくって、そこに乙武さんが歌詞を書くのと、 乙武さんが先に歌詞を書いて、そこから僕が曲をつくるのと、 どっちのほうがやりやすいですか?」 乙武「じゃあ、西郷がやりにくくなければ、先に曲をつくってよ。 その曲を聴いて、そのあとで俺が詩を考えるから。 ちなみに、どんな感じの曲にする? テーマというか……」 西郷「とくに決めてるものはないんです。ただ、これまでFUNKISTが 伝えてきたことと、乙武さんが伝えてきたことが重なっている部分、 それをひとつの曲に込められたら、十分にメッセージ性のある、 みんなに伝わる曲になるのかなって」 その言葉に、僕はとても安心したのを覚えている。 それまで6年近くともに歩んできて、「僕とFUNKISTの重なる部分」は 心の底で十分に感じていたから。 その日から、僕はずっと曲づくりのことばかり考えていた。 そのとき、ちょうどあのニュースが飛び込んできた。 群馬県桐生市で、小学6年生の女児が首をつって自殺したという。 その原因は、間違いなく学校で受けていた「いじめ」にあった。 「学校はいじめに気づかなかったのか」「親は何をしてたんだ」――。 自分には何の責任もないと信じ込む人々の非難する声に、 「いじめはなかった」と心ない言葉を平気で口にする校長に、 何も力になってあげられなかった自分の無力さに、ただ腹が立った。 情けなくて、申し訳なくて、「ごめんね、ごめんね」と何度も思った。 僕は、このときの心境をつづったブログのなかで、最後にこう書いた。 「君のような苦しい思いで、この世を去っていく子どもが、 一人でもいなくなるように――。 僕にできる精いっぱいのこと、力を尽くしていくからね」 それが、この曲なんじゃないか。強く、そう思った。 「誰もひとりじゃないぞ!」 西郷が、ステージ上からそう叫ぶシーンを何度も観てきた。 そう、僕らはひとりなんかじゃない。 いまは孤独で、さみしくて、誰にも理解されていない―― そう思っている人もいるかもしれない。 だけど、どこかに必ず、君のことを受け止め、理解し、 ありのままの君でいることを認めてくれる人がいる。 きっと、いるはずだから――。 そんなメッセージを社会全体で発信していくことができたら、 いま孤独感にさいなまれている若い世代を、 みずから命を奪ってしまうような子どもたちを、 救ってあげられるんじゃないだろうか。 西郷の言葉が、耳の奥によみがえった。 「音楽で世界を変えよう」 僕は、猛烈な勢いでパソコンのキーボードを叩きはじめた。


『1/6900000000』ができるまで①

FUNKISTのVOCAL・染谷西郷から電話がかかってきたのは、 昨年10月の終わり頃だった。 「僕たち、年明けにニューアルバムを出すことになったんです。 ほぼ全曲が出そろったところなんですけど、どうも僕のなかでは 『完成』と言えなくて…。どうしても最後のピースとして、 メッセージ性のある曲を、このアルバムのなかに入れたいんです」 そして、「そのメッセージを伝える曲を一緒につくりたいんです」と、 電話口の向こうで西郷は言ってくれた。 FUNKISTとの出会いは、もう6年前。 マカオのライブハウスで、彼らのステージに衝撃を受けた。 「バナナトレイン」 それは、南アフリカ人の母と日本人の父を持つ西郷が、 みずからの母国で直面した、白人と黒人の間に存在する壁、 そこで何もできずにただ涙を流すことしかできない自分の無力感、 でも、大好きな音楽を通して絶対に変えてやるという決意が、 なんのてらいもなく、ストレートにつづられた曲だった。 気づくと、僕は泣いていた。 「ああ、逃げてちゃダメだな」 『五体不満足』出版以来、僕はスポーツライターとして活動していた。 「スポーツの魅力が伝えたい」との思いに偽りはなかったけれど、 『五体不満足』が、予想をはるかに超えるほど多くの方に読まれ、 そのあまりの反響の大きさにとまどい、いつしか僕自身が注目を浴び、 僕自身がメッセージを発することに、憶病になっていた。 だから、僕ではない「誰か」の想いを伝える仕事を選んだのだと思う。 ところが、目の前のステージでは、僕よりも2歳年下の若者が、 何の迷いもなく、「音楽で世界を変える」と叫んでいた。 ただかっこつけで口にするような、そんな安っぽいセリフじゃなく、 「こいつは本気でそう思い、力のかぎり叫んでるんだな」と感じた。 だから、気づくと僕のほほは、涙で濡れていたんだと思う。 それ以来、都内で開催されているライブにはほぼ毎回通っている。 FUNKISTのライブに行きたくて、沖縄まで飛んだこともあった。 プライベートでも、よくメンバーとは食事に行った。 一時期、メンバーのひとりが「ちがう活動がしてみたい」と脱退し、 (のちに復帰!)バンドとして悩み、苦しんでいた時期も。 メジャーデビューするかどうかの決断を迫られていたときも。 彼らは仲間のひとりとして僕を受け入れ、相談してくれた。 僕もまた、苦しい時期には、いつも彼らに救われていた。 正直な話、教員時代は毎日が苦しかった。くじけそうだった。 そんなとき、いつも僕の力になってくれたのがFUNKISTだった。 彼らのステージに。彼らの発信するメッセージに。 あたたかな気持ちと、明日への活力をもらっていた。 「いつか、いっしょに作品がつくれる日が来たらいいね」 僕ら8人は、出会った頃からそんな話をしていた。 その願いが、いま叶おうとしている――。 僕は電話の向こうにいる西郷に、何の迷いもなく返事をした。 「やろう、やろう。ぜひ、やろう!」 2日後、僕らは銀座の喫茶店で待ち合わせをした――。


PV撮影中!

FUNKISTと『1/6900000000』のPV撮影中!


ミスマッチ

昨夜は、タリーズコーヒージャパン創業者であり、現参議院議員でもある 松田公太さんとの会食でした。おいしいワインと食事をいただきながら、 ゆっくりとお話をさせていただいたけれど、いまの社会に対して 「ここがおかしい」「こう変えていきたい」という感覚がとても似ている ように思えました。あらためて、今後もお付き合いできたらうれしいなあ。 (あ、だからと言って、僕が出馬云々という話ではないですよ(^o^;) さて、その席上で、とてもユニークなコンセプトでビジネス展開している 社長さんと出会いました。「リトルミスマッチ」という靴下を販売する 会社を経営する佐藤禎之社長。年齢は、僕より1歳年上。 まあ、ただ靴下を売っているだけではめずらしくも何ともないのですが、 この「リトルミスマッチ」の靴下、なんと左右バラバラの柄で 販売しているうえ、「3本1セット」での提供なのです。 佐藤社長「そもそも、なぜ靴下は左右同じ柄でなければいけないのか。 右と左でちがう色、ちがうデザインの靴下をはいたっていいじゃないか という考え方が、このブランドの始まりなんです」 コンセプトは、創造性(creativity) と 個性(individuality)。 実際、この靴下が売られていると、子どもたちは目を輝かせて選び始め、 大人では思いつかないような自分なりの組み合わせをチョイスするのだとか。 だけど、残念なことに、 「左右バラバラの靴下なんておかしいでしょ」 「そんな靴下をはいていって、学校でイジメられたらどうするの?」 と、せっかく子どもが選んだ商品を棚に戻してしまう親が多いのだとか。 佐藤社長「日本は、この“既成概念”というものが非常に根強い」 たとえば、靴下の数え方。英語では、かたっぽだけだと「ソック」。 2本以上だと、複数形で「ソックス」。それが、たとえ3本でも、4本でも。 佐藤社長「ところが、日本では左右そろって初めて“1足”。 足というのは、2本あるのが当たり前という概念があるわけですよ」 なるほど。ここまで聞いて、なぜ佐藤社長が足のない僕に、 ここまで熱く“靴下”について語ってくれたのか合点がいった。   佐藤社長「乙武さん、今日はぜひうちの靴下をプレゼントさせてください」 乙武「え、僕に靴下を!?」 佐藤社長「ドアノブにかけたり、加工してがま口として使ったり。 どう使うかは、乙武さんの自由です!」 そういえば、親友・手塚真輝は、もう十年以上も前から、 左右バラバラの靴下をはいている。それどころか、ときには靴までも。 他人からはギョッとされることが多いけれど、彼自身はそんな “ミスマッチ”をいつも楽しんでいる。 そんな既成概念にとらわれない自由さも、僕と彼を結びつける 共通点のひとつなんだろうなあ。


ピースボート乗船!!

みなさん、三連休いかがお過ごしですか!? 2011年は、みなさんがあっと驚くようなお知らせを たくさんお届けすることができそう! そして、今日はその第1弾。 オトタケ、ピースボートに乗船します!! ピースボートとは、世界各地での国際交流を目的として、 世界一周をする船舶旅行。 今回、僕が参加するのは今年4月24日に横浜から出航する 「第73回クルーズ」。 いったい、どの区間に乗船するのかは、お楽しみ! 今回の船旅でどんな出会いがあり、どんな経験ができるのか。 いまから、ワクワクしています。 みなさん、船上で待っていますよ!


感謝

2010年も、残りわずか。 みなさん、今年はどんな一年でしたか? 今年の漢字は、「暑」に決まったそうですが、 僕にとっては、「熱」だったかも。 3月に、それまでお世話になった杉並第四小学校を退職。 (…というよりも、3年契約が終了) 子どもたちと過ごした濃密な日々ともお別れ。 その後は、3ヶ月間、家にこもって執筆活動。 9月には、3年間の教員生活で経験をまとめた 初の小説『だいじょうぶ3組』(講談社)が発売に。 そこからは、ひさしぶりにテレビやラジオ、新聞、雑誌など、 様々なメディアに登場したり、講演活動で全国を飛び回ったり。 とにかく、すさまじい「熱量」で、「熱い、熱い」日々を過ごした一年でした。 また、多くの出会いをいただいた一年でもありました。 その出会いをもたらしてくれたのは、Twitter。 氣志團・綾小路翔さん、武田双雲さん、コンドルズのみなさん、 飯野賢治さん、中村うさぎさん、峰なゆかさん、etc.… わずか140字のつぶやきでコミュニケーションを図るツールから、 こんなにも素敵な出会いが広がっていくとは思ってもいませんでした。 始めてから半年で、フォロワーさんも9万人超。 こんなにも多くの方とコミュニケーションを図ることができて、 本当にうれしく思っています。 さらに個人的なことで言えば、7月に次男が誕生。 二児の父となりました。 日々、その笑顔で力を与えてくれる息子二人と、 新米ママとして奮闘してくれている妻。 家族には、心から感謝しています。 「いい年でした」 この一年をそんな心持ちで振り返ることができるのも、 日頃から応援してくださっているみなさんのおかげです。 2011年は、もっとみなさんを驚かせることができるような、 よろこんでいただけるようなプロジェクトが目白押しです。 まずは、FUNKISTとのコラボ曲「1/6900000000」、 楽しみにしていてくださいね! 来年も、みなさんにとって幸多き一年となりますように。 どうぞ、よいお年をお迎えください。


舞妓haaaaaaan!!

親友・手塚真輝と京都にて。


コンドルズ・近藤良平さん

コンドルズ京都公演の打ち上げに参加させていただきました!


「1/6900000000」

☆、。・:*:・゚`★.。・:*: Merry Christmas!! ☆、。・:*:・゚`★.。・:*:・ みなさんに、とっておきのクリスマスプレゼント……というわけでは ありませんが、今日はみなさんに、とびきりうれしいご報告!! このブログでも何度もご紹介しているFUNKIST。 ・2005.03.23 の日記 ・2010.06.11 の日記 ・2010.09.17 の日記 5年前に出会って以来、僕が熱烈に応援しているバンド。 そのFUNKISTが、来年2月2日(水)にニューアルバムを発売します。 な、な、なんと・・・ そのアルバムのなかで・・・ オトタケ、ついに・・・・・・   FUNKISTとのコラボが決定!!   いったい、どんな形でのコラボが実現したのかというと、 このアルバムのなかの一曲目、「1/6900000000」(69億分の1)で、 なんと僕が作詞を担当させてもらっているのです! FUNKISTが結成されてから、メンバー以外が作詞を担当したのは、 なんとこれが初めてとのこと。す、すごいことだw(°O°)w 5年前にマカオで出会って以来、ともに歩んできた僕ら。 「いつか一緒に何かできたらいいね」と話していた夢が、 ついに実現したうれしさで胸がいっぱいです。 さあ、FUNKIST×乙武洋匡のコラボ曲、 いったいどんな曲なのか、どんなメッセージが込められているのか。 そのあたりについては、またの機会に書いていこうと思います。 続報を楽しみに待っていてください! それと、あのぉ…非常に言いづらいことではあるんですが、、、 じつは、この曲のなかで、ぼ、ぼくも、、、 いや、あの、本当に申し訳ない話ではあるんですけどね、、、   歌ってるんです。   いや、ちょびっと。 ちょびっとだけですよ。 というわけで、自分の歌声がCDになり、全国のみなさんに 届けられてしまうという恥ずかしいことにもなっているので、 そのあたりもぜひ注目してやってください(苦笑)。 いや…ぜひそこはスルーしてやってください(切実)。 以上、みなさんへの大切なご報告でした! それではみなさん、メリークリスマス☆彡


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