早稲田での原点
東京新聞『わが街わが友』全12回の連載をお届けするシリーズ。
今日は、僕の活動のスタートとも言える出会いをつづった
第7回「早稲田での原点」をお送りします!
第7回『早稲田での原点』
僕が大学生活を送った早稲田の街で出会ったのが、当時、早稲田商店会会長を務めていた安井潤一郎さん。安井さんは、学生不在となる夏休みに売り上げががくんと落ちる状況に「夏枯れの街を何とかしよう」と環境をテーマにしたイベント「エコサマーフェスティバル」を企画。その後、「早稲田いのちのまちづくり実行委員会」を立ち上げると、そのリーダーとしてまちづくり活動を引っ張っていった。
「俺たちは、『失敗』と書いて、『経験』と読む。
失敗を恐れずに、どんどんチャレンジしていこう」
「市民参加という言葉があるが、俺たちが目指しているのは、
自分で場を作ってそこに行政を巻き込む、いわば『行政参加』なんだ」
といったユニークな発言も魅力的だったが、空き缶を入れると商店街で買い物をする際の割引券が抽選で当たる「空き缶回収機」を設置するなど、その活動もアイデアと遊び心に満ちあふれていた。
安井さんから、「まちづくりのバリアフリー部門で力を貸してほしい」と言われ、二つ返事でお受けしたのが、大学一年生の秋のこと。それから、用意した何台もの車いすに乗って、自分たちが住む早稲田の街をいつもとは違った角度から体感してもらう「車いす探検隊」を企画したり、早稲田大学総長に校舎のバリアフリー化を申し入れたりするなど、早稲田のバリアフリー化に努めてきた。講演活動を始めたのも、『五体不満足』が出版されたのも、すべてはこの早稲田でのまちづくり活動が原点となっているのだ。
1996年にスタートした「エコサマ」は、その後「早稲田地球感謝祭」と名前を変え、いまや4万人を動員するイベントにまで成長した。15回目を迎える今年は、9月23日、早稲田大学本部キャンパスにて開催される予定だ。
※今年も大盛況だったようです!
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