OTO ZONE

Monthly Archives: 10月 2014

「香港デモ 現地の声を聞く」

【香港デモ】昨日は、中環(セントラル)、旺角(モンコック)、金鐘(アドミラルティ)の3箇所を訪れ、デモについての街頭インタビューを行いました。年齢、性別、出身――立場が違えば、デモに対する態度も様々。現地の生の声をお聞きください。 [中環……デモの行われていないショッピングエリア] 「若者たちを支持します。政府のやり方はおかしい。」(50代・女性) 「彼らの考えには賛同するけれど、自分はMRT(地下鉄)に勤務していることもあって、デモという手法には賛成できない。ただ、できる範囲でのサポートはしていきたいと思う」(20代・男性)… 「デモには賛同できない。学生たちは、ギャングにそそのかされているだけなんだ」(90代・男性) 「インドのムンバイから9年前に移住してきました。ガンジーが生きていたら、きっと暴力に屈せず主張を続ける彼らのことを誇りに思ったでしょう」(40代・女性) [旺角……デモ第2の基点。金曜から、反対派による暴力行為が起こる] 「怖い。とても怖い。でも、こうしてみんなが戦っているのに、自分だけ逃げ出すことはできない。でも、この先、どうなるのか…」(20代・女性・学生) 「暴力は、たしかに怖い。でも、もう後戻りすることはできない。民主的な選挙を勝ち取るため、ここから後戻りすることはできないんだ」(20代・男性・学生) 「デモは許すことができない。経済はどうなってしまうんだ。学生たちは、いますぐデモをやめるべきだ」(50代・男性・飲食店店長) [金鐘……デモ最大の拠点。数十万人の学生が道路を占拠] 「ニュースを見て、居ても立ってもいられなくなってここへ来た。自分の勤務する会社にはないが、他社では『デモに行くので』と申請すれば、休暇をくれるところもあるらしい」(30代・女性・社会人) 「我々は中国人ではなく、香港人なんです。こうして香港の人々が民主化のために立ち上がり、暴力に臆せず戦っているということを、ぜひ世界に伝えてください」(20代・男性・学生) 日本には、いったいどれほどのことが伝わっているのでしょうか――。


「香港デモを訪れて」

香港デモ。普通選挙を求める学生側と、中国政府を支持する親中派が衝突、「市民の対立が深刻化」と報道されているが、それが事実かは疑わしい。 デモ隊に対して暴力を振るう人々を、警察が傍観する姿も目撃されている。行政も、それを黙認している。学生側は、警察・行政のこうした態度に疑問を抱き、開きかけていた交渉の扉を再び閉じてしまった。これに対して、行政長官は6日にも強制排除することを示唆した。こうした状況から、私は「市民の対立」と表現することにためらいがある。 学生側は、当初から一貫して平和的な態度を崩していない。警察の催涙弾に対して、雨傘を盾に対抗してきたことから、いつしか“雨傘革命”と呼ばれるようになった。占拠地区には、いくつもの雨傘がシンボルのように飾られている。 この“雨傘革命”がどんな結末を迎えるのか。現時点では、まったくわからない。しかし、暴力による解決でないことを心から望んでいる。“第二の天安門事件”となることだけは避けなければならない。 今日5日は、日曜日。学生たちの数は、ますます膨れ上がることが予想される。恐れず、怯まず、現場を訪れたい。  


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