OTO ZONE

天才が生まれる日

2010年9月17日

「乙武さんは、他人に嫉妬とかしなそう」

最近、ツイッターでそんなことを言われました。
たしかに、僕自身が心から毎日を楽しめているので、
あまり他人をうらやんだりすることはありません。

でも、なかには、ちょっぴり例外も。
どうしてもその才能をうらやんでしまう、ふたりの友人がいます。
ひとりは、ドローイングアーティスト・JUNICHI(小野純一)
彼がまだ小学生だった頃、NHKのドキュメンタリーで取り上げられた
彼の絵と、絵に対するこだわりを見せつけられた僕は、
すぐに彼に手紙を書いた。ラブレターだ。

その想いに応えてくれた彼とは、13歳という年齢差を越えて、
いまでも友情が続いている。

9.11直後、「何か平和のためにできることがないだろうか」という
僕の呼びかけに応じ、ふたりで作品をつくる機会にも恵まれた。
『Flowers』――JUNICHIが描いてくれたイラストのおかげで、
とても伝わる作品に仕上がった。
ふたりめは、染谷西郷
FUNKISTという7人組のバンドでVOCALを務めているアーティスト。

日本人と南アフリカ人のハーフとして生まれた彼は、恋愛だけでなく、
人種差別や平和や人間愛についても、力のかぎり歌う。
そのストレートなメッセージ性と、彼の真摯な態度は、
聴衆の心をこれでもかとわしづかみにして、離さない。

マカオのライブハウスで初めて彼らのライブを体感した僕は、
その場ですっかり虜になってしまい、以来、5年間ほど、
ずっと彼らのライブに通い続けている。
ふたりに共通するのは、表現者としてこの上なく誠実であること。
あれこれ損得勘定をしてから動いてしまうことの多い僕からすると、
ふたりの作品に向かう姿勢は、心苦しいほどピュアに映るのだ。

僕自身、何らかのメッセージを伝えようとする表現者として、
彼らの存在はあまりにまぶしく、ときに嫉妬さえ覚えることもある。
そして、もうひとつの共通点。ふたりとも、9月17日生まれ。
つまり、今日が誕生日なのだ!

面識はないが、プロゴルファーの石川遼選手も、
なんと9月17日生まれ。なんか才能が生まれる日なのかも。
うらやましいほどの才能を持つ、ふたりの友人へ。
誕生日おめでとう♪


だから、僕は学校へ行く!(文庫版) コンドルズ!!
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