Yearly Archives: 2010
感謝
2010年も、残りわずか。 みなさん、今年はどんな一年でしたか? 今年の漢字は、「暑」に決まったそうですが、 僕にとっては、「熱」だったかも。 3月に、それまでお世話になった杉並第四小学校を退職。 (…というよりも、3年契約が終了) 子どもたちと過ごした濃密な日々ともお別れ。 その後は、3ヶ月間、家にこもって執筆活動。 9月には、3年間の教員生活で経験をまとめた 初の小説『だいじょうぶ3組』(講談社)が発売に。 そこからは、ひさしぶりにテレビやラジオ、新聞、雑誌など、 様々なメディアに登場したり、講演活動で全国を飛び回ったり。 とにかく、すさまじい「熱量」で、「熱い、熱い」日々を過ごした一年でした。 また、多くの出会いをいただいた一年でもありました。 その出会いをもたらしてくれたのは、Twitter。 氣志團・綾小路翔さん、武田双雲さん、コンドルズのみなさん、 飯野賢治さん、中村うさぎさん、峰なゆかさん、etc.… わずか140字のつぶやきでコミュニケーションを図るツールから、 こんなにも素敵な出会いが広がっていくとは思ってもいませんでした。 始めてから半年で、フォロワーさんも9万人超。 こんなにも多くの方とコミュニケーションを図ることができて、 本当にうれしく思っています。 さらに個人的なことで言えば、7月に次男が誕生。 二児の父となりました。 日々、その笑顔で力を与えてくれる息子二人と、 新米ママとして奮闘してくれている妻。 家族には、心から感謝しています。 「いい年でした」 この一年をそんな心持ちで振り返ることができるのも、 日頃から応援してくださっているみなさんのおかげです。 2011年は、もっとみなさんを驚かせることができるような、 よろこんでいただけるようなプロジェクトが目白押しです。 まずは、FUNKISTとのコラボ曲「1/6900000000」、 楽しみにしていてくださいね! 来年も、みなさんにとって幸多き一年となりますように。 どうぞ、よいお年をお迎えください。
「1/6900000000」
☆、。・:*:・゚`★.。・:*: Merry Christmas!! ☆、。・:*:・゚`★.。・:*:・ みなさんに、とっておきのクリスマスプレゼント……というわけでは ありませんが、今日はみなさんに、とびきりうれしいご報告!! このブログでも何度もご紹介しているFUNKIST。 ・2005.03.23 の日記 ・2010.06.11 の日記 ・2010.09.17 の日記 5年前に出会って以来、僕が熱烈に応援しているバンド。 そのFUNKISTが、来年2月2日(水)にニューアルバムを発売します。 な、な、なんと・・・ そのアルバムのなかで・・・ オトタケ、ついに・・・・・・ FUNKISTとのコラボが決定!! いったい、どんな形でのコラボが実現したのかというと、 このアルバムのなかの一曲目、「1/6900000000」(69億分の1)で、 なんと僕が作詞を担当させてもらっているのです! FUNKISTが結成されてから、メンバー以外が作詞を担当したのは、 なんとこれが初めてとのこと。す、すごいことだw(°O°)w 5年前にマカオで出会って以来、ともに歩んできた僕ら。 「いつか一緒に何かできたらいいね」と話していた夢が、 ついに実現したうれしさで胸がいっぱいです。 さあ、FUNKIST×乙武洋匡のコラボ曲、 いったいどんな曲なのか、どんなメッセージが込められているのか。 そのあたりについては、またの機会に書いていこうと思います。 続報を楽しみに待っていてください! それと、あのぉ…非常に言いづらいことではあるんですが、、、 じつは、この曲のなかで、ぼ、ぼくも、、、 いや、あの、本当に申し訳ない話ではあるんですけどね、、、 歌ってるんです。 いや、ちょびっと。 ちょびっとだけですよ。 というわけで、自分の歌声がCDになり、全国のみなさんに 届けられてしまうという恥ずかしいことにもなっているので、 そのあたりもぜひ注目してやってください(苦笑)。 いや…ぜひそこはスルーしてやってください(切実)。 以上、みなさんへの大切なご報告でした! それではみなさん、メリークリスマス☆彡
心のフィルター
Twitterで何気ない行動をつぶやくたび、 「乙武さん、○○はどうやってするの?」という質問が相次ぐ。 「食事に行った」と書けば、「どうやって食事を?」 「カラオケに行った」と書けば、「どうやってマイクを?」 それも少数派ではなく、かなり多くの質問ツイートが届く。 べつに、僕はこうした質問を受けることが苦ではないし、 できるかぎり答えていきたいとは思っている。 先日も、「どうやってシリーズ」と題して、みなさんから 多く集まる質問に、写真付きでお答えしたばかりだ。 ただ、そうしたみなさんからの質問に、ひとつ引っかかることが。 「その質問、あなたは面と向かってもできますか?」 実生活でも、仕事・プライベートを通じて様々な方とお会いするが、 上記のような質問を受けることはほとんどない。 聞いてくるのは、子どもか、よっぽど無邪気なキャラの人だ。 じゃあ、なぜ大人は聞いてこないのか。 「そんなこと聞いたら、失礼かな…」 おそらく、障害のある僕を目の前に、そんな意識が働くのだろう。 もちろん、僕に何度かあったことがある友人・知人であれば、 僕がどうやって身の回りのことをするのか知っているだろうから、 「どうやって…」という質問をする必要がないのはわかる。 でも、初対面の方や、講演会での質問タイムでも、 「どうやって…」と聞かれることは、まずない。 おそらく、そこには“遠慮”があるのだろう。 なのに、それがTwitterとなると、多くの方から、 「乙武さんは、どうやって…」という質問が多く寄せられる。 なぜか。 そこに、「顔が見えないから、いいか」という意識はないだろうか。 面と向かってなら気を遣って言わないようなことも、 ネット上で、顔の見えない相手ならば言えてしまう。 つまり、「こんなこと言ったら、失礼かな…」というフィルターが、 ネット上ではいとも簡単に外れているように感じるのだ。 さっきも書いたように、僕はこうした質問を失礼だとは思わない。 ただ、気軽なやりとりだからこそ、相手との距離感を見誤り、 相手がこのコメントを読んだらどう思うだろうという配慮を欠くと、 いとも簡単に相手を傷つけてしまうのではないかと思ったのだ。 便利で、手軽に楽しめるインターネットだからこそ。 「心のフィルター」、いま一度、確認してみませんか。 僕も、自戒の念を込めて。
桜の木の下で
東京新聞『わが街わが友』全12回の連載をお届けするシリーズ。 今日は、担任していた子どもたちとの別れをつづった 第12回「桜の木の下で」をお送りします! 第12回『桜の木の下で』 素直な子どもたち。理解ある保護者の方々。「車いすに乗った手足のない教師」という異質な存在を、高円寺の街はあたたかく受け入れてくれた。 いよいよ退職の日を迎えた3月31日。子どもたちはすでに春休み。学校には教職員しかいない。ロッカーや机上の荷物整理を終え、ちょっぴり感傷的な気持ちになりながら職員室を出ようとしたそのとき、校庭側の窓ががらりと開き、そこからふたりの少女が顔をのぞかせている。 「先生、ちょっと校庭まで出てきてよ。早く、早く!」 あわてて車いすを校庭まで走らせると、なんとそこには2年間受け持った子どもたちと、その保護者の方々が待ち受けていた。驚きで目を丸くする僕を、あたたかな笑顔がぐるりと取り囲む。 「先生、2年間、本当にお世話になりました!」 「いや、先生のほうこそ、ありがとう。みんなと過ごした毎日、本当に楽しかったよ!」 校庭の隅では、ただ一本だけ植えられた桜の木が、4月の声を待ちきれずにその蕾を開いている。僕らはその薄紅色の屏風をバックに記念撮影をした。 うれしかったこと。苦しかったこと。子どもたちが校門まで見送ってくれるその間、3年間で経験したすべてが、走馬灯のようによみがえってくる。杉並区と契約した3年という年月は、過ぎてしまえばあっという間だった。もっと続けたいという後ろ髪ひかれる思いももちろんあったが、同時に教育現場で得た貴重な経験を伝えていきたいとの思いもあった。 今月出版された『だいじょうぶ3組』(講談社)は、そんな子どもたちと向き合った3年間の思いを、たっぷりと詰め込んで描いた初の小説だ。ご一読いただき、感想などいただければ幸いだ。